レポート:東京での第一回の滞在を経て
掲載日: 2013/02/21
日本に滞在した12月16日に、日本では衆議院選挙があり、r:ead (residency east asia dialogue)の参加者の中でも連日話題の中心だった。結果は専門家たちの予想通りに、自民党が議席の過半数を超える294席数を獲得し政権を取り、安倍晋三氏が日本の首相になった。
r:eadが終わって韓国に帰った翌日、韓国では大統領選挙があった。その結果、75.8%という以前より高い投票率を記録し、過半数以上を占める51.6%の支持率で朴槿惠(パク・クネ)氏が当選した。それから二日後、真剣には信じなくても世界の人々に実に妙な期待感を与えてくれたマヤ暦の終末の日も静かに過ぎてしまい、私の知っている世界はそのままもやもやとする疑問になった。
日本の思想家、東浩紀は2011年の著作「一般意志2.0」でルソ―の言葉を借り、コミュニケーションが多様性を減少させる代議制民主主義ではなく、多様性がそのまま表れる直接民主主義として「コミュニケーションなき民主主義」を提案し、民主主義という概念のアップデートを模索する。ルソ―の一般意志にウェブ2.0が加わった「一般意志2.0」は、個々の市民がインターネットで行う検索のパターンやツイート等の生活履歴がデータベース化されると、そのデータベースが集合的無意識となり、それが一般意志として政治に使われ得ると述べる。
「コミュニケーションは数え切れない多様な意見を幾つかの対立軸に還元させるため、むしろ多様性を抑圧してしまう。コミュニケーションなしに意見を集約することが可能になれば、もとの多様性を保ちながら人民の一般意志を把握することができる。そして集合知の原理に照らし合わせてみれば、コミュニケーションを経由して単純化した判断に比べて、より正確な判断に導くことができる」(一般意志2.0韓国版インタビュー)
しかし、韓国最大のポータルサイトの「ネイバー(Naver)」の場合を見ても分かるように、検索ランキングの操作やアビュージングのような介入を通し、大衆のメディア消費と世論に大きな影響を与える等、それ自体が強力な権力になっている。そのように、集合的無意識という統計値を算出するインターネットのプラットフォームが市場の論理によって構成されたものであり、すでに特定の政治的傾向が反映されているため、この統計値が政治に間接的に反映されるとしても、まだその危険性は存在するに違いない。それにも拘らず、東浩紀が主張する、合意に向けてのコミュニケーションではなく、個人の意志表現がデータベースを構成しその値が政治に反映される回路を構成するという民主主義と政治の再構成は色んな面で興味深い。
r:eadの二回目の滞在では、東アジアの問題と関連して東浩紀の方法論を積極的に活用したい。接線の方式、意志表現の方式と道具の再設定による新たな関係設定を土台としながら、東浩紀が主張する集団無意識=一般意志の発現とその新しいプラットフォームについて探求しようと考えている。
加えて、一週間という短い時間の中で行われたr:eadの初めての出会いで、私たちは東アジアという地点の事実関係に集中し、問題を多少硬い態度で扱っていた気がする。もし私たちがダイアローグと共有のパラダイム自体を転換させたらどうだっただろうか。